僕は風来坊

大阪から帰ってきた俺は、家に辿り着くといつものように勝手口から侵入を試みる。
しかし、扉はひらかない…
玄関にまわり引き戸をひくがこちらも駄目
仕方なく窓から入ることにする…、が開いていない
いつになく用心している。
朝早くから悪いが起きてもらうぞい
「ぴんぽ〜ん」「ぴんぽ〜ん」
明け方の薄みがかった青空に迷惑なる音がなり響く{たいして大きくない}
…しかし、だれの返事もない
2回、3回と繰り返すが反応がない
おかしい…
再度挑戦、家を追い出された亭主のような、むなしさを感じあたかも笑うかのように、「ぴんぽんぱーん」となり響く
ぱーんは余計だ!

いくらやっても反応がないのに一抹の不安がよぎる…、「まさか、強盗?僕を残して引っ越し?、ガス中毒?」ありえなくもない…

一階はすべて障子が閉めてあるので真相を確かめるべく、やむなく前に住んでいた隣の家の屋根にあがり窓から覗き込む。
誰がどうみても俺が強盗…
となりの奥さんに噂がたてられないように窓を叩く
「コン、コン」
気付いてよ〜
起きそうになるがなかなか起きない
ガス中毒の線はなくなったのでひと安心
このままではまずいので生存を確認した僕は、玄関にもどる
朝から屋根がうるさくてごめんなさい、現住人さん
これでもかというほど気持ちを込めて押す
「ぴ〜〜ん、ぽ〜ぉ〜〜ん」
相手にきづかれてない「ぴんぽん」
相手にダメージをあたえられない
「ピンポーン」
相手は目をさまさない「貧乏〜ん」
相手は不敵な笑みを浮かべた
「♪#♭ゑ」
俺にも意味がわからない…
ようやく目覚めたマイ・ブラザーが目覚めて開けてくれた
しぇいシェイ(^-^)

と、まぁ日常どこにでもある風景でした。